猫伝染性貧血(猫ヘモバルトネラ症)とは?

猫から猫へ伝染

〜猫伝染性貧血とは??〜

 猫伝染性貧血(別名:ヘモバルトネラ症)とは、マイコプラズマ(真性細菌)のうち、「マイコプラズマ・ヘモフェリス」(Mycoplasma haemofelis)という病原体が赤血球の表面に付着することにより、赤血球がどんどん破壊されて貧血になる病気です。

 

 貧血になると、元気食欲低下歯茎が白くなるなどの症状が見られます。

 

 猫から猫へ伝染する感染症です。

 

 以前は「ヘモバルトネラ・フェリス」(Haemobartonella felis)が病原菌と考えられていましたが、研究が進み、今現在は「マイコプラズマ・ヘモフェリス」(Mycoplasma haemofelis)が原因だと言われるようになってきてます。横文字か多くてなんだかよくわかりずらいですよね。

 

〜どんな症状が出るの??〜

 主な症状は下記のとおりです。

 ・貧血症状(結膜や口腔粘膜が白くなる)

 ・発熱

 ・食欲不振

 ・呼吸困難

 ・脾腫(読み方:ひしゅ)

 

 特に多いのが「貧血」です。その程度によって目立った症状が現れないこともあれば、貧血が重度の場合は、呼吸困難黄疸(読み方:おうだん)を発症することがあります。

 

 脾臓が腫れることもあり、お腹が腫れたような状態になることもあります。

 

 また、猫エイズウイルス(FIV)猫白血病ウイルス(FeLV)など免疫力の低下を伴うウイルス感染症を併発している場合は、貧血がさらに重度となり、命に落としてしまう可能性もあります。

 

〜原因はなんなの??〜

 原因は主に、「接触感染」、「免疫力低下」、「寄生虫による感染」があります。

接触感染

 感染している猫ちゃんの爪、唾液、歯茎などにはウイルスが付いているため、ケンカで引っかいたり、噛み付くことで体に傷が付き、ウイルスが体内に入り込んでしまいます。

 

 特に外出してケンカが多いオス猫は感染する可能性が高いです。

 

 近年の感染率の研究では、オス猫の感染率はメス猫より3.6倍外出する猫ちゃんは室内外の猫ちゃんより9.6倍感染するリスクが高いとわかっています。

 

 また、多頭飼いしているご家庭では単頭飼いしているご家庭の猫ちゃんより8.7倍感染するリスクが高いこともわかっています。

免疫力低下

 下記に該当する猫ちゃんは免疫力が低下しており、体内で潜伏しているウイルスが突然活発になり、発症することもあります(日和見感染症)。

 ・猫エイズウイルス(FIV)猫白血病ウイルス(FeLV)の併発

 ・子猫

 ・老猫

 ・脾臓を摘出している

 ・糖質コルチコイド投薬を受けている

 

 免疫力が低下している猫ちゃんは、免疫力で体内のウイルスを倒すことができず、貧血が重症化してしまいます。

 

 感染した猫ちゃんを治療せずにそのままにすると、死亡率は30%にも達するといわれていますので、普段と様子が違う場合にはすぐに動物病院へ連れていってあげてください

寄生虫による感染

 猫ちゃんの血液を吸い取る寄生虫(ノミやダニなど)が、マイコプラズマ・ヘモフェリスの媒体となり感染していない猫ちゃんに移してしまうこともあります。

 

〜治療方法はどんな感じ??〜

 治療方法は、「投薬治療」、「点滴・輸血」があります。ただ、完治することはなく、回復させるといった治療法になります。

 

 回復してしまえばその後は発症することなく生涯を終える猫ちゃんがほとんどです。

 

 完治することがないというのは、ウイルスキャリア(ウイルスを臓器や血液中に持続的に所持していながら、普段は症状を呈さない健康な状態)となってしまうということです。

投薬治療

 テトラサイクリン系の抗生物質の投与がメインとなり、発症後すぐに投与すれば、ほとんどの場合で症状が消えます。

 

 マイコプラズマ・ヘモフェリスは、猫ちゃんの免疫力が低下したときに突如発症することもあります(日和見感染症)。

点滴・輸血

 重度の貧血で、生死の危機に陥ってしまっている場合は、点滴による静脈内投与や輸血が行われることもあります。

 

〜予防方法はあるの??〜

 猫伝染性貧血(別名:ヘモバルトネラ症)には、完全に感染しないようにする予防法はありません。

 

 ただ、寄生虫(ノミやダニ)の駆除剤を定期的に投与したり、猫ちゃん同士のケンカをできるだけ避けるような飼育方法(室内飼育、避妊・去勢手術など)をすることで、予防はできます。

 

 多頭飼いしているご家庭では、ケンカというのは避けられないことかもしれません。ただ、飼っている猫ちゃん全員に感染することを防ぐために、多頭飼いしている場合は完全室内飼いが望ましいですね。

 

〜結局のところ〜

 ほとんどのページで書いていて申し訳ありませんが、「まだ大丈夫そうだな。しばらく様子を見てみよう。」は厳禁です。

 

 普段と異なる行動・症状を見せた場合はかかりつけの動物病院にて獣医師さんに見てもらってください。

 

 私も含め、飼い主というのは動物に対してど素人です。ど素人目線で愛猫ちゃんに発症した症状を判断するのは危険です。プロに相談して、適切な処置をしてもらってください。

 

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