- 目次 -
- 1 ① 拾った直後にまずやること
- 2 ② ノミ・ダニの見つけ方と症状チェック
- 3 ③ 駆除のしかたとやってはいけないこと
- 4 ④ ダニ・ノミ以外の感染症と初期サイン
- 5 ⑤ 清潔な暮らしと信頼構築のスタート
① 拾った直後にまずやること
まずは命の安全を確認しよう
子猫を見つけたとき、一番最初にやるべきことはたった一つ。
それは「この子は生きているか」「命に関わる緊急状態ではないか」の確認です。
📋 命の確認ポイント
以下のような状態を、静かに・できるだけ落ち着いて確認してみてください。
チェック項目 | 見るべきポイント | 要注意のサイン |
---|---|---|
呼吸 | 胸が上下しているか(数秒観察) | まったく動きがない/浅くて速すぎる |
目の反応 | 目が開いているか/まばたき/焦点 | 目が乾いている/焦点が合っていない |
体温 | 体が冷たくないか(耳・足の裏など) | 全身が冷たい/ぐったりして震えている |
動き | 足を動かす/首を持ち上げる | 力が入らず脱力している/反応が鈍い |
🧊 保温は「即対応」レベルの重要事項
子猫は体温が下がると命に関わります。
もし冷えていたら、ダンボール+タオル+ペットボトルにぬるま湯などで早急に保温してください(直接湯たんぽはNG)。
🐾 ちびも最初は「目が合わない」状態でした
ちびを見つけたとき、目は開いていたけど全然焦点が合ってなくて、声をかけても動きがなかったんよ。
でも体は温かくて、胸がゆっくり上下してるのを見て「生きてる。大丈夫」ってわかった瞬間、思わずホッとしたのを覚えとるばい。
保温・安静・移動の3ステップ
子猫は生後2ヶ月くらいまで体温調節が苦手で、気温が少し低いだけでも命の危険につながることがあります。
特に秋〜冬〜春先は見つけたら即保温!を合言葉にしていいレベルです。
🌡 効果的な保温方法まとめ
アイテム | 使い方 | 注意点 |
---|---|---|
タオル・毛布 | くるんで体をやさしく包む | 顔は出す/呼吸確保 |
ペットボトルにぬるま湯 | 40℃前後のお湯を入れ、布で包んで横に置く | 直接当てない/やけどに注意 |
カイロ(貼らないタイプ) | 布で包み、外側にそっと設置 | 低温やけどを防ぐため接触NG |
段ボール+毛布 | 小さな保温室として代用可 | 空気穴を確保(フタしすぎ注意) |
🔇 安静にさせるためにできること
猫は音・光・ニオイ・揺れにとても敏感です。特に拾われたばかりの子猫は緊張状態なので、次のような工夫をしてください👇
- テレビや音楽を消す
- 毛布で囲って視界を遮る
- 他のペットや人の出入りが少ない場所へ
🚗 移動時のポイント(ケージやキャリーがないとき)
ケージがなくても、段ボール箱や洗濯カゴでもOK。
ただし、以下の点は絶対に押さえておこう👇
- 通気のため、フタは少し開けておく(隙間を確保)
- 箱の中にはタオル+湯たんぽ or カイロをセット
- 中で動いてケガしないよう、揺れ対策を
🐾 ちびも、まずは「湯たんぽ+タオル」で温めた
ちびを拾ったあの日、家まで距離があったけん、ペットボトル+タオル+毛布で即席のあったか空間を作って移動したっちゃけど、
震えてたのが少しずつ落ち着いていくのを見て、「間に合った」って涙が出たのを覚えとる。
拾った場所が危険なら、すぐ移動を
子猫を見つけた場所が人や車の動線上だった場合、その場にとどまって様子を見ている時間はありません。
特に以下のような場所では、「1分1秒でも早く移動」することが大切です。
⚠️ 危険度の高い拾得場所リスト
場所 | 考えられるリスク | 緊急度 |
---|---|---|
道路の真ん中 | 交通事故/大型車通過/排気ガス | 超高 |
コンビニや飲食店の裏 | ゴミ臭/害虫/バイク・自転車の通行 | 高 |
駐車場・車の下 | 発進・後退による轢き事故 | 超高 |
公園の茂み | 他の動物/蚊や虫/冷えやすい | 中 |
雨・雪の日の屋外 | 低体温/水濡れ/泥 | 高 |
📦 移動に使える「代用キャリー」まとめ
ケージやペットキャリーがない場合でも、家庭にあるもので即席搬送キットを作ることができます👇
アイテム | 使い方 | 注意点 |
---|---|---|
段ボール | 中にタオル+湯たんぽ or ペットボトル | フタは完全に閉めない/空気穴必須 |
洗濯カゴ | 内側にバスタオル+風よけの布をかける | 隙間からの脱走に注意 |
コンビニの空き箱 | 底にタオルを敷いて即席ケージ代わりに | 滑り止めとして下に毛布やタオルを |
🚙 移動中の注意ポイント
- 揺れを防ぐため、車の足元か膝の上に置く
- 箱が傾かないようにブロックして固定
- 移動中は話しかけすぎない(ストレス回避)
🐾 ちびは「車の下」から救出された
ちびを見つけたのは、家の車の左後輪の上。タイヤの間に顔をうずめて、全然動かんやった。
そのまま発進してたら…って考えるだけでゾッとする。拾い上げたとき、思わず「ごめん」って言ったのを覚えとるばい。
ちびを拾ったときの実体験
ちびと出会ったのは、ある夏の夕方。
自分の車の左後輪の上に、ちっちゃく丸まった影が見えて「ん…?」と覗き込んだのが最初でした。
🧊 震えるちびと、そのときの判断
その子は、目はうつろで、全身ガタガタと震えている状態。
あきらかに体温が下がっていて、「このままじゃまずい」と思い、すぐに動きました。
- タオルで全身をやさしく包み込む
- ぬるま湯を入れたペットボトル(40℃程度)を用意
- 段ボールにタオル+ペットボトル+ちびをセット
たった5分でできた簡易保温シェルターだったけど、それだけで徐々に震えが止まり、呼吸が落ち着いていきました。
🔍 後から判明した「ノミ被害」
家について体をチェックしてみたら、首の後ろに黒いポツポツ+フケのようなものがびっしり。
動物病院で診てもらった結果、ノミだらけでした。
あとで獣医さんに言われたのが、
「この最初の保温と清潔な環境がなかったら、感染症も発症してたかもしれません」という一言。
📛 やりがちだけどNGな初動対応
NG対応 | 理由 | どうするべき? |
---|---|---|
お湯で洗おうとする | 子猫は濡れると体温が一気に下がる | まずは乾いた布で包み保温 |
すぐに外に出して遊ばせる | 体力消耗+環境に慣れておらずストレス | ケージ or 箱で静かに休ませる |
人間用のノミ取り薬を使う | 成分が強すぎて中毒の恐れ | 動物病院で処方されたものを使う |
📘 もっと詳しく知りたい人は
詳しいステップやNG行動・持ち物チェックリストなどは、
➡️ 子猫を拾ったら最初にやること にまとめてるけん、ぜひチェックしてみてね!
② ノミ・ダニの見つけ方と症状チェック
目で見るサイン:ふけ、黒いつぶつぶ、かゆみ
ノミやダニに寄生されている子猫は、目で見てわかるサインを出しています。
特に初心者が最初に気づきやすいのが、「皮膚や被毛の変化」です。
👁 こんなサインが出ていたら要注意!
見えるサイン | 具体的な特徴 | ノミ・ダニの可能性 |
---|---|---|
黒いつぶつぶ | フケのような小さな粒。首・背中・お腹・乳首まわりに多い | ノミのフン(血を含んで黒く見える) |
かゆがる仕草 | 突然体を掻く/耳を後ろ足で強くかく/落ち着きがない | ノミ・ダニが皮膚を刺激 |
毛の抜け・フケ | ごっそり毛が抜ける/白い粉状のフケが多い | ダニ感染・皮膚病の初期症状の可能性 |
湿疹・赤み | 腹部・首元・わきの下などが赤くただれている | ノミアレルギー性皮膚炎の可能性 |
🔍 チェックのポイント
- 明るい場所で体の内側(お腹・首)を確認
- 軽く毛をかき分けて、皮膚の状態を見る
- ペーパータオルの上で毛をとかすと、黒い粒が落ちる場合あり
🔗 外部リンク:公的・信頼性のある情報
🐾 ちびの「首のうしろ」にいた黒い粒の正体
ちびを保温したあと、タオルに落ちた黒いポツポツを見て「ん?」と思って確認したら、
首の後ろの毛をかき分けたところに、小さなノミのフンがびっしりやったと…
まさかこれが血を吸った跡やったなんて、当時は知らんかったばい。
そのときの異変に気づけたからこそ、早期に処置できて本当に助かった。
このサインに気づけるかどうかが、命を守る分かれ道になると実感した瞬間やった。
ノミは体の血を吸っている
ノミはただの“虫”ではありません。子猫にとっては、命を脅かす寄生生物です。
ノミは1日に体重の10~15%に相当する血を吸うと言われており、小さな子猫にとってはそれだけで貧血の原因になります。
🩸 ノミ寄生で起きる貧血の危険
症状 | 見た目の特徴 | 起きやすいリスク |
---|---|---|
貧血 | 耳の内側・口の中が白っぽくなる | ノミが多く寄生/長期間吸血されたとき |
虚脱・ぐったり | 動かない/反応が鈍い/寝たまま | 血液不足による体力低下 |
体温低下 | 耳・足先・お腹が冷たい | 脱水と併発しやすい |
黒い便が出る | ノミのフンが混じって血便に | 大量吸血されている証拠 |
😿 「軽く見える子」ほど危険なことも
一見元気そうでも、体の小さな子猫ほど「ちょっとしたノミ」でも大ダメージを受けます。
特にガリガリにやせた子・元気に動かない子は、ノミによる吸血で命にかかわる状態になっていることも珍しくありません。
見た目で判断せず、「血を吸われていないように見せる(ケアする)」ことも大切です。
🐾 ちびの「耳が真っ白」になっていた日
ちびを拾って2日目、動きが鈍くなってきて、「おかしい」と思って耳の内側を見たら血の気が引いたように真っ白やったんよ。
病院で「これはノミの吸血で貧血が進んでます」って言われた瞬間、ゾッとしたばい。
小さな虫が、命をここまで削るのか…って、初めて実感した瞬間やった。
ちびも、さいしょの日に体の後ろに「少し滑り」を発見
ちびを保護したその日の夜。体をチェックしていたときに、お尻のあたりに妙な“滑り”感を感じました。
毛がツヤっとしているわけでもなく、濡れているわけでもない。なのに、そこだけ少しベタついていて指がすべる。
🕵️♀️ それ、実はノミの「通り道」だった
よく見てみたら、そのラインには毛が薄く、皮膚が赤くなっている部分がありました。
その上を、小さな黒い点(ノミ)がピョン…と移動していたのを目撃してゾッとしました。
「あっ、この子、病院行き確定や…」
その瞬間、警戒レベルが一気にMAXに上がったのを覚えています。
🔍 ノミの“通り道”で見られるサイン
異変の場所 | 目で見た特徴 | 考えられる状態 |
---|---|---|
背中〜腰 | 毛がムラに薄い/赤みがある | ノミ・アレルギー性皮膚炎の前兆 |
お尻の上〜尾の付け根 | ベタつく感じ/皮膚にツヤなし | ノミが頻繁に移動した痕 |
首の後ろ〜肩 | 黒い粒が集中/引っかき傷あり | ノミの集中的寄生ポイント |
💡 見た目は軽度でも「異常のサイン」
「少しベタつく」「ちょっと赤い」——そんな微妙な違和感でも、子猫の場合は早期受診の合図になります。
放置するとノミ→皮膚炎→脱毛・感染症と進行するリスクも高く、命に関わる場合もあるばい。
🐾 「少し滑る」は、あなどれない
ちびはまさに、この“わずかな滑り”に気づけたからこそ、重症化する前に病院へ連れていけた。
当時はただの湿り気かなと思ったけど、いま思えば、あれがSOSの第一声やったと本気で思うばい。
③ 駆除のしかたとやってはいけないこと
駆除薬は「スポット型」が基本
猫用のノミ・ダニ駆除薬の多くは「スポット型」と呼ばれるタイプです。
これは、背中や首元に薬液を“ポチッ”とスポット的に塗布する方法で、皮膚から吸収されて全身に効くように設計されています。
💉 スポット型ってどんなもの?
チューブのような小さな容器に薬が入っていて、それを猫の肩甲骨の間や首の後ろに数滴たらすだけでOK。
猫が舐められない場所に塗るのが基本で、塗布した薬は24時間以内に全身に行き渡ります。
📋 駆除薬の種類と使い方まとめ
タイプ | 主な製品名 | 適応年齢 | 特徴 |
---|---|---|---|
スポット型(動物病院) | フロントライン/レボリューションなど | 生後6〜8週以上 | ノミ・ダニ・フィラリアなど広範囲に効く/獣医処方 |
スポット型(市販) | アースペット/マイフリーガードαなど | 製品により異なる(生後10週以上など) | 手軽だが効果が限定的なものも/成分注意 |
内服薬 | コンフォティスなど | 生後14週以上(体重制限あり) | 内側から効くが、副作用のリスクも |
⚠️ 使用時の注意ポイント
- 必ず「猫用」を選ぶ(犬用は危険)
- 首の後ろ〜肩甲骨間にだけ使う
- 塗布後48時間はシャンプーNG
- 他のペットや子どもが舐めないように注意
🐾 ちびに最初に使ったのは「フロントライン」
ちびが動物病院に行ったとき、初回の駆除で処方されたのがフロントライン。
体重1.1kgだったから、0.5mlちょっとだけを首の後ろに垂らして終了。その後、ノミがポロポロと落ちてきたときはびっくりしたけど、ちゃんと効いてるってことやったんやね。
並行して使われるもの
スポット型駆除薬が基本ではあるものの、猫の状態や環境によっては「補助的な手段」も併用されることがあります。
代表的なのは、駆除シャンプーや粉末タイプの製品です。
🧴 併用される駆除製品の種類と特徴
タイプ | 使用方法 | メリット | 注意点 |
---|---|---|---|
駆除シャンプー | 全身を洗ってノミ・ダニを除去 | 即効性あり/成虫に効果 | 生後3ヶ月未満の子猫には使用NGなものも |
粉末タイプ | 被毛に振りかけてなじませる | 刺激が少なく、皮膚にやさしい | 吸い込みに注意/舐めないよう配慮 |
あすり系パウダー | 皮膚に“すり込む”ように軽くなじませる | 低刺激タイプが多く、皮膚が弱い子向き | ムラになりやすいため、全体への均等塗布が必要 |
⚠️ 体質によっては要注意
すでに皮膚にかゆみ・炎症・湿疹がある場合や、過去に皮膚トラブルを起こしたことがある子には、
これらの製品は使用前に必ず獣医と相談しましょう。
- 過敏反応がある子はかぶれやアレルギーのリスクあり
- 自己判断での併用は危険(特にスポット+シャンプーの連続使用)
- 成分表示をしっかり確認する習慣を持とう
🐾 ちびはシャンプーは使わず、粉末だけで乗り切った
ちびは皮膚がデリケートだったから、最初は粉末タイプをタオルに包んで軽くなでる程度で対応したんよ。
病院の先生が「この子、乾燥肌気味だからシャンプーは控えたほうがいいね」って教えてくれて助かったばい。
製品は山ほどあっても、「その子に合うか」は別問題やけん、慎重すぎるくらいでちょうどよかばい。
やってはいけないNG体系
子猫をノミやダニから守りたい気持ちはわかりますが、焦りから「自己流」で対処するのは非常に危険です。
とくに人間用の駆除製品や市販の家庭用品を安易に使うのは絶対にNGです。
📛 命に関わるNG対応例とそのリスク
NG行動 | 理由 | 代わりにすべき対応 |
---|---|---|
人間用の駆除スプレーや虫除けを使う | 猫には毒性の高い成分(ディート等)を含む | 猫用に処方された薬 or 動物病院で相談 |
アルコールや除菌シートで拭く | 猫の皮膚に刺激が強く、なめて中毒の危険あり | ぬるま湯で湿らせたタオルでやさしくふく |
熱湯・熱風ドライヤーで駆除しようとする | 火傷のリスク/体温の急激な変化でショック状態に | 適温の保温+駆除薬で対処 |
酢や重曹を直接かける | 皮膚がただれる/pHバランスが崩れて炎症に | 猫用製品以外は基本使用NG |
🐱 猫は「とにかく敏感」な生き物
猫は人間や犬よりも皮膚が薄く、肝臓の解毒能力が弱いため、安全と思われる成分でも中毒を起こすリスクがあります。
「これくらいなら大丈夫でしょ」は、命に関わる危険判断になる可能性があるけん気をつけてね。
🐾 ちびのときも、うっかりアルコールを…
ちびを保護した直後、つい手元にあった除菌シートで耳を拭こうとしたんよ。
でも病院で「それ絶対やめてください!」って言われてヒヤッとした。
優しさが裏目に出るってこういうことなんやな…って、本当に反省したばい。
ちびに使われた駆除薬はこれ
ちびが最初に動物病院で処方されたのは「フロントライン」のスポット型タイプ。
1mlの小容量タイプで、体重1kg程度の子猫に使える下限設定タイプやったばい。
💉 「フロントライン」ってどんな薬?
フロントライン(Frontline)は、動物病院でもっとも一般的に処方されているノミ・マダニの駆除薬です。
スポット型で、猫の首元に垂らすだけで24時間以内に効果を発揮し、1ヶ月以上効き目が持続します。
📋 使用情報まとめ(フロントライン・キャット用)
項目 | 内容 |
---|---|
主成分 | フィプロニル |
対応寄生虫 | ノミ(成虫・卵)/マダニ/シラミ/耳ダニ(軽度なら効果あり) |
使用年齢 | 生後8週齢以上 |
使用方法 | 首の後ろに1mlスポット塗布 |
持続効果 | 約1ヶ月 |
注意点 | シャンプーは48時間避ける/多頭飼いではなめ合いに注意 |
🐱 耳ダニにも効果あり(軽度の場合)
実はフロントライン、ノミ・ダニだけじゃなく耳ダニにもある程度効果があると言われています。
ちびも最初、耳をかゆがっていたけん、「これ耳ダニかも」と言われて、追加の耳掃除+フロントラインで処置したら数日で改善していったばい。
🐾 初めての薬、ちびも暴れず頑張った
初めてちびに薬を塗るとき、バスタオルでくるんでおとなしくさせながら、首の後ろにチョン!
ほんの2秒の処置だけで、数日後にはノミが全滅。あのときのスッキリ感、今でも忘れられんばい。
④ ダニ・ノミ以外の感染症と初期サイン
猫風邪・耳ダニ・猫白血病など
ノミやダニだけで安心してはいけません。子猫にとっては、他にも命に関わる感染症が多数あります。
特に保護したばかりの時期は免疫が弱く、感染のリスクが非常に高いため、ちょっとした異変も見逃せません。
🦠 感染症別|初期サインと見極めポイント
感染症名 | 主な初期症状 | 備考・進行後の症状 |
---|---|---|
猫風邪(上部気道感染症) | くしゃみ/鼻水/目やに/涙目 | 悪化すると肺炎・食欲不振・失明リスク |
耳ダニ(ミミヒゼンダニ) | 耳の奥が黒い/耳をかゆがる/首を振る | 放置で外耳炎→中耳炎に進行、難治化しやすい |
猫白血病ウイルス(FeLV) | 白目が黄色い(黄疸)/ぐったり/貧血 | 免疫力低下/腫瘍/命に関わるウイルス感染 |
猫エイズ(FIV) | 慢性的な口内炎/体重減少/元気がない | 発症は遅いが、発病後は免疫力が著しく低下 |
💡 少しでも異変を感じたら即受診
「元気がない」「目やにが増えた」——それだけで病院に行く十分な理由になります。
感染症は早期治療ほど回復率が高く、通院回数・費用も抑えられるため、「念のため」で受診して損はありません。
🐾 ちびは“猫風邪ぎみ”からスタートやった
ちびは保護した日、目やにで片目が開かん状態やったっちゃけど、すぐ病院で点眼と抗生剤をもらって2日で改善したんよ。
あと1日遅れてたら重症化してたかもって言われたの、いまでもゾッとするばい。
ウイルス検査のすすめ
動物病院では、保護した子猫に対して「猫白血病ウイルス(FeLV)」「猫エイズウイルス(FIV)」の検査を行うことがよくあります。
これらの感染症は無症状でも潜伏しているケースが多く、早期発見がとても大切です。
🧪 ウイルス検査ってどんなもの?
採血によって、感染の有無をチェックする簡易検査が主流です。
早ければ保護当日の診察で実施可能で、結果も当日〜翌日には出ます。
📋 猫エイズ・白血病ウイルス検査まとめ
項目 | 内容 |
---|---|
検査対象ウイルス | 猫白血病ウイルス(FeLV)/猫エイズウイルス(FIV) |
検査方法 | 採血 → 簡易キットで抗原・抗体を検出 |
対象年齢 | 生後8週以降(推奨は12週以上) |
結果が出るまで | 当日〜翌日(即日結果もあり) |
費用目安 | 4,000〜8,000円前後(病院による) |
検査のメリット | 将来的な健康管理/他の猫との接触管理/ワクチンの判断材料になる |
💡 なぜ保護初期にやるのがベスト?
感染していた場合の「生活環境・隔離・通院計画」を立てることができるからです。
また、他の猫がすでにいる家庭では早期に感染リスクを把握することが非常に重要になります。
🐾 ちびは陰性だったけど、検査して本当によかった
ちびの保護初診でFIV/FeLV両方の検査をお願いしたとき、正直結果が出るまで不安でいっぱいやったけど…
「どちらも陰性でしたよ」の一言で安心して涙が出た。
今のちびとの暮らしがあるのは、この検査がきっかけだったって心から思うばい。
ちびの「陰性」でホッとした日
ちびを保護して病院に連れて行ったその日、先生から「エイズと白血病の検査、どうしますか?」と聞かれて、即答で「お願いします」って言ったけど…
🕓 結果を待つ数十分、心の中は不安だらけ
検査中のちびは平然としてたけど、こっちは手汗びっしょり。
「もし陽性だったら?」「他の猫と暮らせない?」「短命になる?」——頭の中をいろんな不安がぐるぐる回ってました。
📋 陰性/陽性だったときの基礎知識
検査結果 | 何を意味する? | 次にできること |
---|---|---|
陰性 | 現時点でウイルスに感染していない状態 | ワクチン接種計画/通常のケアへ |
陽性(FeLV) | 猫白血病ウイルス感染、免疫に影響 | 隔離生活/ストレスを減らす暮らし/定期受診 |
陽性(FIV) | 猫エイズウイルス感染、長期潜伏も多い | ケンカを避ける環境/ストレス管理/単頭飼育 |
🐾 「陰性でしたよ」の一言で、肩の力が抜けた
結果を告げられた瞬間、「陰性でしたよ」って言われて、声が漏れるくらいホッとした。
本当に、あの時の安堵感は忘れられん。
それまで張りつめてた心の糸が、ふっとゆるんだような感じやったばい。
陰性=絶対に大丈夫、じゃない。
でも「この子と、ちゃんと未来をつくっていける」って思えたのは、あの瞬間からやったと心から思う。
⑤ 清潔な暮らしと信頼構築のスタート
トイレ・ベッド・ケージの掃除はルール化
ノミやダニがいなくなった後も、油断は禁物。
再発防止には「環境の清潔さ」が最重要です。
とくに寝床やトイレまわり、毛がたまる場所は、再寄生の温床になりやすいため、掃除の頻度とルールを明確にすることが大切です。
🧼 掃除ルール早見表(基本の清潔管理)
場所/物 | 掃除頻度 | やること | ポイント |
---|---|---|---|
トイレ | 毎日1回/週1で全替え | 固まりを除去・砂を混ぜる・容器を水洗い | 中性洗剤OK/完全乾燥を忘れずに |
ケージ | 週2〜3回 | 床・柵を拭き掃除/毛やフケを除去 | アルコール不可(猫がなめると危険) |
ベッド・クッション | 週1〜2回 | カバーを洗濯/中材は陰干し | 洗える素材を選ぶと楽/毛はコロコロで先に除去 |
洗濯物 | 都度対応 | 毛がついたものは別洗い or ネット使用 | 排水口に毛が詰まりやすいため要注意 |
🧹 清掃時のワンポイントアドバイス
- 掃除前に「毛取り」→その後洗剤が効率的
- 香り付きの洗剤・柔軟剤は避ける(猫は香りに敏感)
- 乾燥不十分=カビ・ダニ再発の原因になるけん、しっかり乾かすこと!
🐾 ちびのトイレ掃除は、毎朝のルーティン
ちびがトイレをちゃんと使えるようになってから、毎朝一回の掃除がルールになっとる。
サッと掃除して「ちび、今日もいいこやね〜」って声かける時間が、いつの間にか日常の一部になったばい。
ちびの「ベッドで一緒に寝た日」
ノミ駆除が終わって数日後。ちびが毛布の上でスヤスヤ寝てるのを見て、「やっと本当にこの子と一緒に暮らせるんやな」って、心から思った瞬間があったんよ。
😌 それまでは、お互い探り探りやった
ノミが気になるから一緒に寝るのは避けとったし、ちびも「この人、大丈夫なん…?」って距離をとっとった感じやった。
でも、駆除が終わってからは自然と近くに来るようになって、気づいたら毛布の上にちょこんと乗って寝とった。
🛏 一緒に寝るって、実は“最大の信頼サイン”
猫にとって「人のそばで眠る」のは、相手を信頼して安心している証拠やけんね。
敵だと思ってたら、絶対に背中は見せん。
だからこそ、この瞬間が“本当の家族になった日”やった気がするばい。
📋 猫の睡眠環境・添い寝チェック表
項目 | おすすめ対応 | 注意点 |
---|---|---|
寝る場所 | 毛布・クッション・ベッド上など柔らかい所 | ホコリ・ダニがたまりやすいので週1は掃除 |
清潔管理 | 毛がついたらコロコロ/毛布は月2で洗濯 | 香り付き洗剤は避ける(猫は香りに敏感) |
夜の過ごし方 | 部屋を暗めに/寝る直前に軽くスキンシップ | 寝返りで押しつぶさないよう寝場所は分ける |
🐾 一緒に眠れる夜、それが“家族”の証
いまではちびが先に布団に行って「はよ来てや」って顔するんよ。
この子がそばにおるだけで、心がすっと落ち着くようになった。
一緒に寝るって、ただの習慣やなくて、「信頼をもらえた証」なんやなって、毎晩思いながら寝とるばい。
信頼の第一歩は「怖くないよ」を伝えること
駆除薬でも掃除でもなく、いちばん最初に子猫に伝えたいのは「あなたを傷つけない存在だよ」というメッセージです。
それは声だったり、手の優しさだったり、ただ静かにそばにいるということだったり。
🫂 信頼関係のステップ
子猫との信頼構築は、決して特別なことではありません。
「怖くないよ」→「そばにいても平気だよ」→「一緒にいても心地いいね」
その流れが自然と築ければ、それがもう最高のしつけやけんね。
ステップ | 飼い主の行動 | 猫の反応 |
---|---|---|
STEP1:怖くないよ | 静かな声かけ/無理に触らない | じっと見つめてくる/鳴かずに見守る |
STEP2:そばにいても大丈夫 | 近くで過ごす時間を大切にする | 自分から距離を縮めてくる |
STEP3:一緒にいると安心 | 名前を呼ぶ/ふれあいの時間を楽しむ | 膝に乗る/一緒に寝る/甘える |
🌱 最後に:今日から始められること
完璧じゃなくていい。
薬も掃除も、最初はうまくいかなくて当たり前。
でも、あなたの優しい声と、ゆっくり差し出された手が、「この人なら大丈夫かも」と思わせることができたなら、それがもう、子猫との最初の絆やけんね。
どうか焦らず、あたたかい目でその子を見てあげてください。
あなたと猫の暮らしが、安心とやさしさで満たされますように。
ちびと、心から応援しています🐾
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