〜人間にも感染する猫クラミジア感染症とは??〜
細菌でもウイルスでもない病原体である「猫クラミジア(Chlamydia psittaci)」によって感染する猫風邪の一種です。
鼻炎・咳・結膜炎・呼吸器症状などの一連の症状が出ます。進行すると気管支炎などを併発し、重篤な場合は死に至ることもあります。
症状の特徴としては、感染してから2日~1週間前後で、どちらか片側の目に炎症が生じ、粘度の高い目ヤニを伴う結膜炎になり、進行するともう片側の目にも生じます。
他のウイルス性の結膜炎より症状が長引き、慢性化しやすいことで知られています。発症しやすいのは2~6ヶ月齢の子猫ちゃんです。体力のない子猫ちゃんは呼吸器症状など他の感染症を併発しやすく、注意が必要となってきます。
また、クラミジアは人獣共通感染症(じんじゅうきょうつうかんせんしょう)としても知られており、稀なパターンですが猫から人へ感染する可能性もあります。
〜どんな症状が出るの??〜
上記にも書きましたが、さらに詳しく症状を箇条書きすると、
・粘度の高い目ヤニ
(まず片目発症→進行すると両目発症)
・結膜炎
・くしゃみ
・鼻水
・咳
・肺炎
・気管支炎
目に症状が出るという特徴的な部分があります。免疫力の低い子猫ちゃんや高齢の猫ちゃんは肺炎や気管支炎も併発してしまう恐れもあります。
〜原因はなんなの??〜
多いのは「接触感染・空気感染」、「母子感染(垂直感染)」です。
接触感染・空気感染
クラミジアに感染した猫ちゃんとの接触により感染することが多く、涙や目やになどに触れることで病原体が体内に入ります。
目・鼻・口から入り込み、感染するため、多頭飼いしている家庭では、一匹の猫ちゃんが感染すると、グルーミングや食器の共有などによって、感染していない他の猫ちゃん全員にすぐ感染してしまう恐れがあり、要注意です。
感染した猫ちゃんの咳やくしゃみなどの飛沫によって病原体が付着し体内に侵入することもあります。
母子感染(垂直感染)
お母さん猫が感染していると、いつもくっついている子猫ちゃんに病原体が入り込み、肺炎、気管支炎、眼炎も併発し、重篤な場合は生後数日で死亡する可能性もあります。
〜治療方法はどんな感じ??〜
他の猫風邪と同様に、一度でも感染してしまうと、回復後もウイルスが体に残り、ウイルスキャリア(ウイルスを臓器や血液中に持続的に所持していながら、普段は症状を呈さない健康な状態)となることがほとんどです。
投薬療法
猫クラミジア感染症の治療は、有効な抗生物質があり、14日以上継続して投与し、クラミジアを完全に消滅させます。
点眼や点鼻または全身投与します。
症状が軽いうちに抗生物質の投与を行えば、それほど重症化せず回復することが可能なため、症状が出始めたらすぐに病院へ連れていってください。
途中で症状が消えても、なるべくウイルスキャリアや持続感染になることを防ぐため、4週間は投与し続けてください。
クラミジアを完全に消滅できず体内に残してしまうと、日和見感染(免疫力が低下してきたときに再発)を生じるため、必ず完全消滅させてください。
万が一、重症化した場合は、インターフェロンの投与や輸液療法、点滴での栄養補給なども行いますが、体力のある猫ちゃんなら2~6週間で治ります。
ワクチン接種
予防できる病気によってワクチンにはいくつか種類がありますが、日本でも五種混合ワクチンや七種混合ワクチンが出てきており、猫クラミジア感染症をカバーすることができます。
子猫ちゃん・高齢の猫ちゃんがいる家庭、多頭飼いしている家庭、猫同士の接触が多い猫ちゃん、外出する機会の多い猫ちゃん等には摂取させてあげてください。
治療中は、部屋の温度・湿度に気を配り、栄養のあるご飯をあげ、脱水症状を起こさないために飲み水が切れないように細心の注意を払ってください。
この病気の治療中は、口内炎や舌炎ができたりと口の中に痛みががあると自力では食べられないことも多いので、食道チューブの設置やシリンジを使ってご飯を食べさせたりすることもあります。
また、「様子を見てみよう。」と人間の身勝手な判断で治療が遅くなり、重症化してしまうと猫ちゃんの持つ自然治癒力だけでは完治することが難しくなってしまうため、早めに病院へ連れていってあげましょう。
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最後に
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