猫のペットロスの原因と解消方法を解説~悲しみを乗り越えるために~

 猫を飼っている人にとって、必ずやってくる別れの日。

 

 覚悟はしていても、いざ離れ離れになってしまうと想像以上につらいものですよね。

 

 誰もが悲しみに囚われてしまうのは当たり前のことですが、飼い主によっては仕事や家事にも手がつけられなくなるほど、重い症状に悩まされてしまう場合もあります。

 

 この記事では、このような「ペットロス」の実態について知り、具体的にどうすれば最愛の猫の死を乗り越えられるのかについて解説します。

 

 社会人向けに、仕事の休み方や、友人・同僚がペットロスになった場合の接し方や、カウンセリングの窓口、書籍についても触れています。

~ペットロスとは?~

ペットロスとは?

 大切にしていたペットを、病気や老衰、事故などの理由を問わず失った飼い主が、様々な身体的或いは精神的に不調を訴えることをペットロス、またはペットロス症候群と言います。

 

 ペットロスは、今までペットに対して注いでいた愛情や愛着が突然行き場をなくしてしまうことが原因だと言われています。

 

 現れる症状は人によって様々で、軽い症状で済む場合もあれば、他のことに手がつかないくらい大きなショックを感じる人もいます。

 

 また、ペットロスによって抑うつ状態が続き、精神疾患と発展するケースも少なくありません。

~猫のペットロスによる心情・体調の変化~

 猫のペットロスによって引き起こされる精神状態や体調の変化にはかなりの個人差があります。

猫のペットロスによる心情・体調の変化

自律神経失調症の原因になるペットロス

 精神的な変化でしばしば耳にする例は、抑うつ状態摂食障害不眠症状無力感情緒不安定などのような自律神経失調症と似た症状があります。

 

 他にも幻覚幻聴の症状が出たり、不可能な妄想に囚われてしまったりという場合もあるそうです。

 

 精神的な面での症状なので、他人からはわかりづらいという部分もあります。

胃潰瘍や逆流性食道炎の原因になるペットロス

 次に、身体的な症状で言うと、胃潰瘍逆流性食道炎のような消化器系の疾患身体の痛み息苦しさなどが挙げられます。

 

 どの症状であっても、放置すると更に酷くなってしまう場合があります。

 

 特に消化器系の疾患は、今後精神的に立ち直った後にも後遺症を残していく可能性があるので、身体に違和感を覚えたら早めに病院へ行くようにしましょう。

~猫のペットロスを克服するために~

猫のペットロスを克服するために

猫のペットロスに対して自分ができること

 大好きな猫を病気で亡くした場合も、長寿の愛猫が天寿を全うした場合も、同じく悲しいですし、きっと「もっとこうしてあげればよかった」という後悔ばかりが溢れてくると思います。

 

 どうしても「大好きなあの子はもういない」ということばかり考えてしまい、心が晴れません。

 

 そういう時だからこそ、あなたの小さな家族との楽しかった思い出や、共に過ごした日のあたたかい気持ちを思いだして、「あの子はきっと幸せだった」と笑うことが大切です。

 

 あなたが塞ぎ込んでしまうほど落ち込むのは、あなたが弱いからや、愛猫をないがしろにしていたからではないのです。

 

 共に長い時間を暮らし、たっぷりの愛情を注ぎ、喜怒哀楽を数え切れないほどシェアしたからこそ、その大きな愛情が行き場を失い悲しくなるのです。

 

 その悲しみをすぐに乗り越えることは難しいし、急いで乗り越える必要はありません

 

 ただ、自分を極端に追い詰めてしまう前に深呼吸をして、楽しかった思い出を「楽しかった」と口に出していく。

 

 そうやって少しずつ和やかな気持ちを取り戻していけたらいいですね。

猫のペットロスの具体的な治療・解消方法

 とはいっても、やはり大切な家族とのお別れは想像以上に辛いものです。

 

 仕事や学業に手がつけられなくなったり、無気力感が続いたり、抑うつ状態が続いたりと、自分だけではなかなか解決できない場合があります。

 

 そういう時に有効な手段として『ペットロスのグリーフケア』があります。

 

 グリーフケアとは、親しい人との死別を悲しんでいる人に寄り添い、感情の整理を促すことで悲嘆からの回復を試みる支援のことを指します。

 

 グリーフケアでは、ペットロスの苦痛を和らげるだけでなく、愛するペットを失った悲しみを通して飼い主を人間的に成長させる機会も兼ねています。

 

 現在はペットロスグリーフケアを支援する専門士やカウンセラーの存在も広く認知されるようになりました。

 

 そういった専門機関に相談することも、ペットロスを克服する第一歩となります。

猫のペットロスによって仕事ができない自分を責めないで

 大切な猫を失った直後は仕事も手に着かないという方もいるでしょう。

 

 しかし、絶対に自分を責めないでくださいね。

 

 どうしても仕事ができないときや、心がつらいときには会社を休むことも視野にいれてみましょう。

 

 働く全ての人には有給休暇を取得する権利があります。

 

 そして、有給を取得する理由は他人に指図されて良いものではありません。

 

 つらいときにはしっかりと休み、心と体をいたわりましょう。

 

 無理をしすぎると、徐々に苦痛の負債が貯まってしまいます。

 

 最初はまだ耐えられると思っていても、ある日突然起き上がることすらできなくなってしまう可能性も否定できません。

 

 私は学生時代に猫を亡くしペットロスに陥りましたが、その直後の定期試験で総合点が60点も下がってしまい先生にも両親にも叱られるというさんざんな体験をしたこともあります。

 

 でも、それは仕方の無いことです。

 

 大切な支えを失ってしまったのですから、何も手が着かなくて当然です。

 

 「たかがペットくらいで」「ペットにかこつけてサボってる」なんて外野の冷たい声に、やさしいあなたが怯える必要なんてありません。

猫のペットロスで有給休暇を取る方法

 有給休暇を取得する際には、上司や同僚がペットに対して理解があるかそうでないかによって対応も取りやすさも変わってきます。

 

 本来なら、従業員の有給休暇取得理由について口出しすることは許されていないのですが、実際はそう簡単にはいきませんよね。

 

 そんなときに、有給休暇の伝え方で下記のように、

・ペットが亡くなった

・身内に不幸があった

・体調不良で休みます

 といった、効果的な3つの理由を考えました。

 

素直に「ペットが亡くなった」と伝える

 1つ目の方法は素直に「ペットが亡くなった」と伝えることです。

 

 上司や同僚に理解がある場合は素直に伝えてしまうのも1つの手かと思います。

 

 ただ、同じ猫飼い同士でも有給休暇をとるまでではないと考えている上司もいると思うので難しいところでです。

「身内に不幸があった」と伝える

 2つ目の方法は、少し遠回しに「身内に不幸があった」ということです。

 

 猫飼いにとっては猫も大切な身内なのですが、残念ながらまだ世間には理解されにくい風潮が残っています。

 

 そのため、遠回しに忌引きで休む必要があることを伝えるのも有りです。

「体調不良で休みます」と伝える

 3つ目の方法は「体調不良で休みます」と言うことです。

 

 大切な猫と別れたばかりで涙が止まらなくなったり、食欲がなくなったり、不眠気味になったりする方もいると思いますが、これらも重要な体調不良です。

 

 猫のことを隠さなければならないことは少し気分的にも苦しいですが、自分の体調管理のためとして休むのも有りでしょう。

 

 どちらの理由を伝えるにしても、有給休暇が認められた場合には上司や同僚へ感謝の気持ちを忘れないようにしましょう。

 

 そして、もし仕事仲間が次に同じ理由で休むとき、手を差し伸べられるようになれるといいですね。

~猫を亡くした人にかける言葉~

友達や家族がペットロスになったら

 友達や家族がペットロスになったら、かける言葉に注意しましょう。

 

 悪気がなくても「どうしてもっと早くに治してあげられなかったの?」「家の環境が合わなかったのかな?」「愛情が少なかったんじゃない?」なんて言葉はかけてはいけません。

 

 我が子を失ってしまった飼い主は、その瞬間からずっと自分のことを責め続けているものだといいます。

 

 そんな優しい人に追い打ちをかけてしまってはいけません。

 

 反対に、「あなたの責任じゃないよ」「大丈夫だよ」と声をかけてもらえることで、責任感に押しつぶされそうなところを救って貰ったという飼い主も多くいるそうです。

 

 飼い主さんによっては、いただいた温かい言葉に思わず泣いてしまう方もいると思います。

 

 そんなときは、涙を否定するのではなく、優しい気持ちで見守るようにしてくださいね。

~愛猫を亡くすときは誰もが悲しい~

愛猫を亡くすときは誰もが悲しい

 家族や友人にどれだけ温かい言葉をかけてもらっても、大切な猫を失った悲しみは一朝一夕には克服できません

 

 誰もがそうなんです。

 

 私も中学2年生のころ、実家の18年生きた黒猫を老衰で亡くしました。

 

 それから8年の月日が経とうとしていますが、私の「お兄ちゃん」だった黒猫への後悔と、自分自身の薄情さに対する怒りとを未だに克服できずにいます。

 

 別れの日は突然でした。

 

 母と私がアレルギー体質だったことや実家が田舎だったこともあり、猫は家の中と外とを自由に行き来できるようになっていました。

 

 ある日愛猫はそれが別れの挨拶だというように早朝4時頃に大きな声で数度鳴き、そのまま帰ってくることはありませんでした。

(「老猫は死が近づいてくると甘えてくる?」参照)

 

 後日、猫の行動範囲外だった民家の敷地内で黒猫が息を引き取っていたことを人づてに聞き、その子がうちの子だったと確信しました。

 

 今思えば、家を出て行く前数日間の愛猫は、それ以前までの元気の無さからは一変して大きな声で鳴くようになっていました。

 

 いわゆる「エンジェルタイム」だったと思うのですが、その期間に沢山構ってあげられなかった後悔、そもそも普段からもっと一緒に遊びたかったし、折角甘えてくれるのに「勉強の時間だから」と冷たくあしらわなければ良かったという自身への怒りを今でも忘れられません。

 

 当時子どもだった私には、「いつか別れの日が来るかもしれない」という感覚がなく、黒猫は私が20歳になろうと30歳になろうとずっと側にいてくれるものだと信じていたように思います。

 

 猫の寿命が14~16歳であることは理解していましたが、「まさかうちの子が」という子どもらしい無邪気な考えが私の中にありました。

 

 こうやって文章にして気持ちを整理することで、今ではだいぶん前向きになってきましたが、それでもなかなかやはり立ち直ることは難しいです。

 

 時に悲しみは、楽しかった思い出や猫のために形にした愛情の記憶を葬り去る事があります。

 

 今でも猫の死を克服できない私は、家族に言われるまで猫のアルバムを作ったことも、ぬいぐるみを作ったことも全部忘れていました。

 

 「私、あの子に何もできなかった」という罪悪感でいっぱいになってしまったときは1人で抱え込んではいけません。

 

 あなたが思い出せないだけで、きっとあなたの猫は、あなたやあなたの家族から沢山の愛情を受け取っていました。

 

 どうしても乗り越えられない時は、家族に「私って、あの子に何かしてあげられてたのかな」と聞いてしまうのも素敵なアイディアです。

 

 だからどうか、大好きな猫が旅立った時には、積極的に楽しかった思い出をなぞるようにしてあまり自分を責めないようにしてください。

~猫のペットロスについて紹介されている書籍~

 現在、ペットロスについて綴った書籍は少しずつ増えています。

 

 特にあたたかい評価を貰っている数冊をピックアップしてみたので、ぜひご活用ください。

 

 賛否が分かれるスピリチュアル系の書籍は省いております。

猫のペットロスについて紹介されている書籍

虹の橋 Rainbow Bridge

 出版社 佼成出版社

 発売日2007/6/30

 

 インターネット上で支持されている作者不詳の詩が、葉祥明氏による温かいイラストを纏って素敵な「虹の橋 Rainbow Bridge」という絵本になりました。

ありがとう。また逢えるよね。ペットロス 心の相談室

 出版社 二葉社

 発売日 2013/11/22

 

 ペット霊園を設立した僧侶が、悲しむ飼い主たちに対して送る優しくて温かい言葉をまとめた「ありがとう。また逢えるよね。ペットロス 心の相談室」お話集です。

まんがで読む はじめての猫のターミナルケア・看取り

 出版社 日東書院本社

 発売日 2019/5/13

 

 愛猫の最期を受け入れるための準備に。

 

 「まんがで読む はじめての猫のターミナルケア・看取り」ペットロスそのものを克服するための本ではありませんが、猫と暮らす全ての人に読んで欲しい一冊です。

~猫のペットロスのカウンセラー・支援団体~

 アメリカではペットロスの人を支える体制が日本に比べ整っており、専用の窓口ではペットと飼い主の悲しみや後悔、楽しい思い出などを聞いてくれるそうです。

 

 日本ではまだ数が少ないそうですが、いくつか相談窓口があるようなので紹介します。

猫のペットロスのカウンセラー・支援団体

ペットラヴァーズミーティング

 「ペットラヴァーズミーティング」は、宗教やカウンセリング商法などを厳しく排除したボランティア団体です。

 

 ペットロスを語り合うことで悲しみから立ち直るきっかけを自分自身で見つけるための場所です。

日本ペットロス協会

 「日本ペットロス協会」は、最愛のペットを失い悲しみに暮れる飼い主へのサポートをしている団体です。

 

 他にペットロス・カウンセラーの養成講座等も開催しています。

ペットロスカウンセリングサロン シェールアンジュ

 「ペットロスカウンセリングサロン シェールアンジュ」は、『ペットはかけがえのない愛しいAnge(我が子)』をモットーに、飼い主の不安や悲しみに寄り添うカウンセリングサロンです。

 

 もし、身近に専門機関がない場合は、あなたとペットについてよく知っている友人や家族に話を聞いてもらいましょう。

 

 また、近年ではTwitterInstagramに代表されるSNSが発達しています。

 

 同じくペットロスに陥ってしまった人同士で簡単に繋がることができます。

~猫のペットロスについてのまとめ~

猫のペットロスについてのまとめ

 あなたの愛する猫を失った悲しみの全てを受け止められるのは、あなた自身しかいません。

 

 ですが、大切な家族との楽しかった思い出、失った苦しみは全て1人だけで抱え込む必要はありません。

 

 この記事が、ペットロスで落ち込むあなたに寄り添うことができれば幸いです。

 

最後に

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